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「進工舍」とは
1970年に“点鬼簿”入りした舎主の実父が、生前経営していた家業の屋号。
戦前につくられた木造二階建て家屋を改装して、50年代前半に創業。事業の最盛期には、本業とはまったく無縁の、名も無き「アナキスト」の活動拠点としても、多くの人間が出入りしていた。 両親没後は、曲折をへて住む人もないまま放置されていたが、今世紀に入って解体・撤去されついに消失。 このブログは、今はないこの舎(やど)を通り過ぎた人びとを偲びつつ、「新たなアナキズム」の可能性について、極私的につづるもの。 (なお、「舎」ではなく「舍」が正式名称) (最新記事の表示は、ページトップのブログタイトルをクリック) ・進工舍・別館もあります。 ・ana_gon(進工舍の次男坊)(舎主のツイッター) ◇舎主おすすめのサイト ・アナキズムFAQ ・アナキズム図書室 幸徳・大杉・啄木 etc. ・「父」 金子文子 『何が私をこうさせたか』(部分) 青空文庫 ・朴烈義士記念館 朴烈とその妻・金子文子を顕彰する韓国の施設(ハングル表記) ・アナキズム文献センター ・竹中英太郎記念館 「英太郎と労」父子の個人資料館 ・リベラル21 ・声なき声の会 ・マガジン9 ・九条の会 ・侵攻社の少年 カテゴリ
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数日前から電話回線に不具合があり、まる二日以上電話がまったく使えない状況にあった。かろうじてADSL回線は通じていたものの、仕事に支障を来たすは、電話機の故障かと思って電器店に走るはで、右往左往してしまった。屋外配線が一箇所断線していたらしく、該当部分をすべて配線し直し、二日後の夕方近くなってようやく復旧した。電話機を買いに出向いた電器店が、たまたま定休日だったので、無駄な出費を免れることができたのはホントに幸いだった。やれやれ…。
で、電話が通じるようになって、思いがけない着信が立て続けに二件あった。どちらも「金子文子」に関わってこられた人からで、このブログでアナゴンの書いた、例の「肖像疑惑」を読んでくれた方だった。特に、後に連絡をしてこられたS女史は、文子・ゆかりの地に住んでおられて、永く文子研究に携わっているとのこと。拙文を読んで痛くショックを受けられたようで、各方面に問い合わせをされたりして、みずからも確認作業に当たられたという。そして、舎主の書いた記事どおりであると確信され、なんと、写真の版権を持つ新聞社にまで誤りである旨を申し出てくださったらしい。けれど、30年以上も放置されてきた錯誤であるだけに一筋縄ではいかず、事態は膠着したままの由。何しろ、大逆事件が背景にあるのだから、大手メディアの立場としては事を荒立てたくないという思惑もあるのか。 けれど、これはあきらかな間違いなのだ。歴史的事件の顚末に関わる決して小さくない誤りであるのだ。 かてて加えて、現在、文子の夫であった朴烈の出身地でもある韓国の聞慶(ムンギョン)では、朴烈・金子文子記念館の建設が完成間近にあり、来月10月にもオープンを迎えるというのだから、一新聞社のメンツの問題だけでは済まなくなる可能性もある。もし、そこに展示される資料に例の写真が使われることになれば、後々めんどうな問題に発展しないとも限らない。S女史もそのことにとても苦慮されていた。 とにかく、真実はひとつだけだ。この国の、かの時代の女性活動家のなかで、金子文子ほどその実像が知られていない思想家もあるまい。これをきっかけに、彼女の真実の姿を内外に知らしめるべく、なんとか微力を傾けたいとも思う。文子の名誉回復のためだけではなく、不憫にも、永い間取り違えられてきた「日本縫工組合の金子フミ子」への償いのためにも。そして何より、真の日韓友好の進展にわずかでも寄与することを信じて――。 (画像は、黒色戦線社版 『獄窓に想ふ 金子ふみ子全歌集』より。クリックで3倍に拡大) ※ 追記(09-14) その後、S女史のもとに、事の次第を大筋で認めるという、件の新聞社からの返信があったとのこと。どうやら、第一のステップは“ふみこえた”ようだ。 ※ 追記 2(09-30) 韓国で建設中の朴烈・金子文子記念館は、計画当初の開館予定から何度も繰り延べになり、この10月と決定していた一般公開も、作業の都合で来年春に延期された模様。残念だが、そのことを猶予期間ととらえて、それまでに文子の真実の姿が、いっそう人びとの前に明らかになることを望みたい。 きょうまでに、新旧の買ったもの、読んだものなど。遅まきながら、徐京植とアーレントという、二人の“ディアスポラ”に注目しなくてはと思う。 ◇高畠通敏 編 『戦後日本思想大系 14 日常の思想』(筑摩書房)1970 ◇小西正一 『小鳥はなぜ歌うのか』(岩波新書)1994 ◆宮田光雄 『生きるということ 読書による道案内』(岩波ジュニア新書)1987 24刷 ◆奥村直史 『平塚らいてう 孫が語る素顔』(平凡社新書)2011 ことしは、『青鞜』創刊から百年。 ◆杉浦敏子/ふなびきかずこ 『FOR BEGINNERS ハンナ・アーレント』(現代書館)2006 ◆徐京植(ソ キョンシク) 『ディアスポラ紀行 追放された者のまなざし』(岩波新書)2005 ◆堀江邦夫/水木しげる 『福島原発の闇 原発下請け労働者の現実』(朝日新聞出版)2011 ◇姜尚中・中島岳志 『日本』(河出文庫)2011 ◆岩波書店 『世界 10月号』特集:覇権国家アメリカの凋落 ◇白川 静 『漢 字 ―生い立ちとその背景―』(岩波新書)1970初版 38刷
by dra-wkw
| 2011-09-11 15:39
| 日常
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