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「進工舍」とは
1970年に“点鬼簿”入りした舎主の実父が、生前経営していた家業の屋号。
戦前につくられた木造二階建て家屋を改装して、50年代前半に創業。事業の最盛期には、本業とはまったく無縁の、名も無き「アナキスト」の活動拠点としても、多くの人間が出入りしていた。 両親没後は、曲折をへて住む人もないまま放置されていたが、今世紀に入って解体・撤去されついに消失。 このブログは、今はないこの舎(やど)を通り過ぎた人びとを偲びつつ、「新たなアナキズム」の可能性について、極私的につづるもの。 (なお、「舎」ではなく「舍」が正式名称) (最新記事の表示は、ページトップのブログタイトルをクリック) ・進工舍・別館もあります。 ・ana_gon(進工舍の次男坊)(舎主のツイッター) ◇舎主おすすめのサイト ・アナキズムFAQ ・アナキズム図書室 幸徳・大杉・啄木 etc. ・「父」 金子文子 『何が私をこうさせたか』(部分) 青空文庫 ・朴烈義士記念館 朴烈とその妻・金子文子を顕彰する韓国の施設(ハングル表記) ・アナキズム文献センター ・竹中英太郎記念館 「英太郎と労」父子の個人資料館 ・リベラル21 ・声なき声の会 ・マガジン9 ・九条の会 ・侵攻社の少年 カテゴリ
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・吉野源三郎(1899-1981)著 『職業としての編集者』 (岩波新書)
1955年から77年までに発表された論文・八編を収めたもの。初版は1989年。最近復刊。 敗戦前後の混乱期、幾多の困難を乗り越えいかに出版文化が守られてきたのかが、淡々と、されど重厚につづられている。 1969年に書かれた「編集者の仕事――私の歩んだ道」は、岩波新書の創刊の背景が描かれていて、いま読んでも心に響く。 【編集という仕事については、中国の作家魯迅の詩の「眉を横たえて冷やかに対す千夫の指、首を俯して甘んじて孺子の牛となる」という句を、いいことばだなと思い出すことがたびたびです。「千人、万人の人からなんと見られようが、そんなことには、冷然として心を動かさない。子どものためには、甘んじて首をたれ、それを背に乗せて黙々としてゆく」という意味で、この孺子(子ども)とは中国の民衆をさしているのだというのが毛沢東の解釈だそうです。 たしかに民衆のためになることなら、牛のように首をたれて黙々とそれに仕え、人からなんと見られようが心にかけない、という心構えは、編集という仕事を――本当に意味のあるものとしての編集の仕事を――やってゆく上に、何よりも必要な心構えだと思います。自分というものを世間に認めさせたいと考えたり、業者やその他まわりの人びとによく思われようとしたり、あるいは世間に媚びたりしたら、本当の仕事はできませんね。世の中に送り出した本や雑誌が、実際に社会に役立つこと、どんなに回り道を通ってではあっても、無名の民衆の仕合せに役立つこと、それだけ果たせればそれでよいのだという心持を、しっかりと持ちつづけることが必要です。それをどんなに堅く持ちつづけたって、思うほど役に立つ仕事ができるか、どうか、危いのです。】 印象に残ったところ。人権派弁護士の草分け・布施辰治を思わせるような言葉。 「編集者」だけじゃなく、人間と関わる仕事をする人すべてに読んでほしい本。(→#2へ。) 今年、創刊70周年を迎えた岩波新書。合わせて読んだもう一冊。 ・『戦争絶滅へ、人間復活へ――93歳・ジャーナリストの発言』 むの たけじ + 黒岩比佐子(聞き書き) むの氏は、1970年に死んだアナゴンの父と、同じ年の生まれ(1915年)。 昨年も、北海道から沖縄にいたるまで講演活動で駆けめぐったという。九十代となったいまも、移動するときはつねに一人で、付き添いもないというのだから、スゴい。 戦争の時代を生きぬいた反骨のジャーナリストは、「戦争絶対反対主義」を日々の生活に貫徹せよ、と繰り返し呼びかける。性根のすわった社会主義者として、憲法九条を死守すべく、なお、熱く、勁い想いを訴える。 終盤に述べられる・むの氏なりの宗教観は、特別な違和感もなく、むしろ説得力に富むもの。 まえがきを書いた黒岩氏の言葉のように、この書のタイトルの「絶滅」と「復活」が入れ替わるような未来にだけは、絶対にしてはならない。 8月9日。ナガサキの日に。
by dra-wkw
| 2008-08-09 10:28
| 読書
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